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3案いいとこ取りが効かなかった:前回うまくいった理由と今回の違い

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3案から2本になった夏祭りLP。昼と夜の2枚のサイトの間で悩むsuzumin

AIにサイトを3案作らせて、いいとこ取りで1本にまとめる。これまで2回、この手で「いい感じ」になりました。3回目は、通りませんでした。

架空の夏祭りのLP(1ページ完結の紹介サイト)を作っていて、最初の1画面(ヒーロー)は迷わず決まりました。崩れたのは、その下のセクションから3案に分けたところです。いいとこ取りをしようとすると、どの案の良さも薄れてしまう。最後は1本に決められず、2本のままになりました。

なぜ前の2回は通って、今回は通らなかったのか。手順を変えたつもりはなく、AIの調子でもありませんでした。違っていたのは、3案の土台がそろっていたかどうかです。


前回と前々回は、同じ手が通っていた

1回目は、英会話サービスのLPです。同じ内容のLPを、動き・配色・部品の見せ方だけ変えて出しました。その中から、ベースにする案を1つ決め、ほかの案の部品を移してもらう。結果は、一番まとまった1本になりました。

2回目は、焼肉店のLPです。募集文だけで作った案と、実在サイト5件を参考にした案を並べて、いいとこ取りで合成しました。振り返ると、3案とも最終的に「黒×温白×明朝+写真」という同じ型に収まっていて、参考にした5件も同じ方向を向いていました。

この2回に共通するのは、もともと土台が1つに決まる範囲の中で案を出していたことです。部品を入れ替えても、全体のトーンは崩れません。


ヒーローは決まった。その下のセクションから、参考がバラバラになった

今回のお題は、架空の夏祭り「灯川納涼まつり」の特設LPです。

まず、最初の1画面(ヒーロー)を先に作りました。昼夜を切り替えられて、夜は花火が上がる会場マップです。このときも実在サイトを参考にしましたが、3サイトとも「会場や町を1枚の絵にして、ピンで案内する」という同じ型でした。絵コンテを3枚出して、Aの見下ろす角度とBの賑わいを組み合わせた1枚を選びました。ここでは、いいとこ取りが効きました。 土台の型がそろっていたからです。

問題は、その下です。ヒーローを固定したうえで、日時以降のセクションを3案に分けて作りました。 ここで参考にしたのは、実在の4サイトです。それぞれ、見せ場が違いました。

  • カードが上に張り付いて、次のカードが少しずれて重なっていくサイト
  • 最初の1画面を残したまま、次の文章が半透明の窓のように重なるサイト
  • セクションの継ぎ目が、次の色の淡い版・斜めに切った写真・濃い色のうねりと、3層になっているサイト
  • 楕円の写真を散らして、その間を線画が埋めるサイト

見せ場を1つずつ拾って、3案に振り分けました。

A案:絵を主役に、時間で見せる 最初の画面を固定して、日時の窓を重ねる。タイムテーブルはカードの積み重ね。

B案:写真と絵で賑わいを 出店者は楕円の料理写真。継ぎ目は3層のうねり。

C案:比較の基準 演出を入れず、情報が早く読める形にしたもの。AとBの演出が効いているかを比べる基準として、担当が用意しました。C案は、そこからデザインまでは進めていません。

この時点の私は、「参考は近い系統だから、ムラにはならないだろう」と考えていました。3案は、あとで1本に選ぶための案のつもりです。今思えば、ここが分かれ道でした。


系統決めのつもりの案出しが、そのまま制作になった

もともと、最初の案出しは「どの系統でいくかを決めるため」のつもりでした。ところが、案を出したあとに系統を1つに決めることをしないまま、そのまま2系統の制作を進めてしまいました。

振り返ると、案を出すことと、方向を決めることは、別の作業でした。案を並べれば方向が決まる、と思っていましたが、「選ぶ」という一手を、私が挟んでいなかったのです。


結局、1案に決められなかった

仕上がったA案とB案を見比べて、私はこう思いました。「どちらにも、いいところがある」。

A案は、固定した背景の上に日時の窓が重なります。夜は花火が上がり続けるので、窓の外の花火がずっと見えます。

A案の動き。夜の花火の上に、日時のカードが重なる

B案は、屋台の看板の布(のれん)が上に抜けたあと、固定された背景の上に料理の写真が現れます。

B案の動き。のれんが上に抜けて、固定された背景の上に料理の写真が現れる

いいところを1本にまとめようとすると、どちらの良さも消えてしまいました。前の2回のような「ベースに部品を足す」が、今回はできなかったのです。原因は、案ごとに土台が違っていたことにあったと考えています。

ここで、本来の計画は崩れました。3案から1本を選ぶはずが、どちらも捨てがたく、いいとこ取りでもまとまらない。そこで、1本に絞ることをやめて、A案とB案を別々の作例として残しました。実物は、次のページで動かして見られます。

A案(会場マップ型) https://suzumin.com/works/demo/lp-matsuri/a/

B案(夜の演出型) https://suzumin.com/works/demo/lp-matsuri/b/

最初の1画面は、どちらも同じです。昼と夜で切り替わります。

夏祭りLPの最初の1画面。昼の会場マップ

夜の会場マップ。花火が上がる


次からは、参考を先に1系統に決める

今回の失敗を一言でまとめると、こうです。

「いいとこ取り」が効くのは、土台が1つに決まっているときです。

前の2回と、今回のヒーローは、案が出そろった時点で土台がほぼそろっていました。今回のセクションは、系統の違う参考を4つ渡して、そのまま3案を走らせた。案の数を増やしても、土台がバラバラなら、合成はうまくいきません。

次からは、順番を変えます。

  • 参考サイトを渡す前に、それぞれがどんな系統かをAIに一言で言ってもらう
  • 系統が違うものがあれば、どれを土台にするかを、人が先に決める
  • 3案は、その系統の中で、最初の画面の型やトーンを変えて作る

AIに頼むときは、こんな一言から始めるつもりです(次の案件で試す予定で、まだ検証はしていません)。

参考にしたいサイトを4つ渡します。
それぞれ「どんな系統のデザインか」を1行で答えてください。
系統が違うものがあれば、どれを土台にするか私が決めます。
決まるまで、デザインは作らないでください。

自分の作業手順書にも、「参考は先に1系統に決めてから3案を作る」と書き足しました。


まとめ

  • 「3案いいとこ取り」は、土台が1つに決まる範囲で案を出しているときに効く
  • 系統の違う参考サイトを渡して3案を走らせると、案ごとに土台が違ってしまい、合成しても良さが薄れる
  • 案を出すことと、方向を決めることは別の作業。「選ぶ」を飛ばさない

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